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カメムシの赤ちゃん、かわいい
6月に野田山の大乗寺丘陵公園で見つけたオオキンカメムシはどこから来たのか。この虫は南方系と言われていてアブラギリという木で繁殖しますが野田山にそんな木はありません。また暖かい地方の海岸の広葉樹で越冬するといいます。かれらの飛翔能力がどれくらいなのか、どのくらいの距離を飛べるのか、3センチ近い大型のカメムシですが身体の大きさと翅の様子から見て行動範囲はそう広くはないだろうと思います。鳥がくわえてきたということはありそうにないからトラックに積んだ貨物にでも偶然乗ってやって来たんでしょうか、それとも神様がぼくのためにあの日あそこにそっと置いてくれた。そんなこと、もっともありそうにないよ、でもそうだといいね。
野田山のカメムシは結構たくさんの種がいてウォーキング途中に見かけるだけでも十数種になります。そのほとんどは野田山とその周辺で繁殖しているのだと思います。
昆虫は段階的な発生の仕組みを採用しています。卵→幼虫→蛹→成虫と形態が変化します。蛹は幼虫が体の構造を成虫に作り替えるための変身装置です。この蛹という装置を使わないはじめから成虫と同じ体の構造を持った幼虫が成長して成虫になる虫もいます。前者を完全変態と呼び後者を不完全変態と呼ぶということは小学校の理科で習いますがおとなになるまでに多くの人は忘れてしまいます。生きていくのに知っていないといけないことがほかにたくさんあるのにそんな虫のことなどいつまでも憶えてはいられません。たしかに、でも、それなら要らないことをなぜ学校で教えるの。それはそれが要らないことだという大切なことだからです。えっ、なんのこと、どうしてそういう文脈になるの。気にしないでください。この混沌の時代にのんきにカメムシの話をしています。
カメムシは不完全変態の昆虫です。蛹にならず幼虫は脱皮を繰り返して成虫になります。夏に卵を産み秋の訪れとともに幼虫が誕生して成虫で冬を越します。つまり9月はカメムシの赤ちゃん誕生の月です。卵から産まれた幼虫が徐々に親の姿へと成長します。バッタも同じ不完全変態ですがバッタの幼虫は、ああこれはバッタだ、と見てすぐに判るほど成虫に似ているのに対しカメムシの幼虫は親とは似ても似つかぬ姿です。はじめから知っていない限りカメムシの幼虫だとわかるのはまず無理です。まして種の判別など夢のまた夢。でも、親と似ても似つかぬ姿がだんだんに親に近づいていくのは、もし見ることができたら、おもしろいはずです。
野田山で圧倒的にたくさん見られるカメムシはミズキに多いエサキモンキツノカメムシと桜に多いキマダラカメムシでほかにはクモヘリカメムシがエノコログサ(ネコジャラシ)にとまっているのをよく見ます。このうち舌を噛みそうな長い名前のエサキモンキツノカメムシは親が卵を守るという習性があって赤ちゃんの誕生後もしばらくは傍で見守ります。この卵を守っているのはメスだというのですがどうしてメスだと言えるのか、卵を産んだ虫がそのまま卵を守るところを見た人がいるんでしょうね。ぼくはこのなかなか秋らしくならない今年の秋、思い切ってウォーキング途中にミズキで道草をしてエサキモンキツノカメムシの成長の段階が異なる幼虫を、すべては無理でも、できるだけ観てみようと思いました。
幼虫の成長の段階は蚕のように何齢と呼んで区別するようですがぼくにそこまではわかりません。でもそんなこと知らなくてもどの段階の幼虫もみんな赤ちゃんです。赤ちゃんはどんな生き物でもかわいいものです。カメムシの赤ちゃんもかわいい。そんなはずない、かわいいはずがないよ。どうして、どうしてそんなこと言うのですか。どうしてって・・・だってカメムシでしょ、いくら幼虫だからってあの臭い虫がかわいいなんて・・・。偏見はいけませんね、近ごろのトレンドではそういうことを言うと叱られますよ、虫にも人権、いや、虫権というものがあります、カメムシだろうがナナホシテントウだろうがアサギマダラだろうがゴキブリだろうが、良識ある市民としてはみんな平等に昆虫として扱わなければなりません。なにそれ、それがかわいいとなんの関係があるの。関係がないものに関係を見つけるのが、なければ作るのが最新のトレンドです。また脈絡のないこと言ってる。気にしない気にしない、ぼくらはそういう時代に生きています。 2023年9月24日 虎本伸一(メキラ・シンエモン)
虫嫌いの人のために写真は最後にまとめて載せることにしましょう。 2023年10月3日 虎本伸一(メキラ・シンエモン)
カメムシ 近ごろ 金沢市郊外 野田山
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2023年9月9日 | 2023年9月9日 |
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2023年9月13日 | 2023年9月13日 |
キマダラカメムシ 金沢市郊外 野田山
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2023年8月28日 | 2023年8月29日 |
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2023年9月13日 | 2023年9月13日 |
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2023年9月19日 | 2023年7月27日 |
エサキモンキツノカメムシ 金沢市郊外 野田山
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2023年6月29日 | 2023年9月8日 |
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2023年9月12日 | 2023年9月12日 |
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2023年9月24日 | 2023年9月26日 |
写真:虎本伸一
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